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(2025.11.5更新)
「郷土玩具が好き ―風土と造形の愉しみ―」
 
会 期 令和8年(2026年)1月14日(水)~4月6日(月)
※火曜日休館
会 場 8階 特集展示室
時 間 9:30~17:00
※入館は閉館30分前まで
観覧料 常設展示観覧料でご覧いただけます
主 催 大阪歴史博物館

大阪歴史博物館では、令和8年(2026)1月14日(水)から4月6日(月)まで、8階特集展示室において、特集展示「郷土玩具が好き―風土と造形のたのしみ―」を開催します。

郷土玩具は、各地の民間信仰や習俗と結びつきながら、紙や木材など身近な材料を使用して作られた、まさに風土を反映した造形物といえます。素朴で可愛らしいだけでなく、地域の歴史・文化を感じとることができるのも、郷土玩具の魅力のひとつです。

本展では、当館が所蔵する全国の郷土玩具を、素材やモチーフ、造形に込められた祈りに注目して紹介いたします。はじめて見るはずなのにどこか懐かしい、そんな郷土玩具の数々を愉しんでいただければ幸いです。


主な展示資料

展示資料数:約100件
白象唐子遊図皿
犬張子  みみずく人形
木版千代紙 おもちゃ尽くし
大正時代~昭和時代 大阪歴史博物館蔵(木村コレクション)
画面いっぱいにさまざまな玩具が描かれた尽くし絵となっています。犬張子やみみずく人形は東京近郊で作られた玩具ですが、当時すでに全国的に知られるものであったことが想像されます。よく見ると、近代の作らしく自動車のおもちゃも描かれ、新旧さまざまな玩具を目で楽しむことができます。本紙の左上には兎のマークが刷られており、大正9年(1920)創業の京都の木版印刷物販売店・岡本ピョンピョン堂(現:ぴょんぴょん堂)の千代紙だと思われます。
犬張子
犬張子
大正時代~昭和時代 大阪歴史博物館蔵(宮脇コレクション)
犬張子は東京を代表する郷土玩具で、丸いフォルムと体に描かれた花模様がその特徴です。犬はお産が軽く子の成育がよいというところから、子どもの健康や幸福を願い犬張子が授けられました。古くは平安時代から、子どもの枕元に犬筥いぬばこ(犬の姿をかたどった張子細工の箱)を置く習わしがありました。その後、いつから張子人形が作られるようになったかは定かでないものの、安永3年(1774)刊行の玩具絵本である『江都二色えどにしき』にはすでに犬張子の絵がみえます。
伏見人形
伏見人形 一文牛いちもんうし
明治時代~大正時代 大阪歴史博物館蔵(宮脇コレクション)
伏見人形は伏見稲荷大社(京都市伏見区)の参道で販売されるつち人形で、全国の土人形の源流と伝わるものです。さまざまなモチーフの人形が作られますが、一文牛は特に素朴な造りで、〇に十の字を背中に描いただけの牛の土人形です。江戸時代から作られていたといい、かつては腹部に穴が空けられ、そこに米粒を入れて川に流すことで疱瘡ほうそう(天然痘)除けを願いました。牛は草を食べるというところから、疱瘡に罹るとできるくさを食べさせ早く治してもらおうと考えたのです。
犬張子
大阪張子 神農しんのうの虎
昭和22年(1947)以降 大阪歴史博物館蔵(柴垣コレクション)
大阪市中央区道修町の少彦名すくなひこな神社で11月に開催される神農祭にて魔除けの縁起物として頒布されている張子の神虎です。文政5年(1822)のコレラ大流行の際、「虎頭殺鬼ことうさっき売黄円うおうえん」という丸薬を製造し、張子と一緒に授与されたと伝わります。一方、大阪張子の職人である「面清」に残された文書には、明治18年(1885)のコレラ流行に際し製作されたとの異説もみえます。その起源については定かではありませんが、長らく大阪で愛されてきた張子であることは確かです。

関連行事

展示解説
【日 時】 令和8年1月24日(土)・2月21日(土)・3月21日(土)
午後2時から30分程度
【担 当】 俵 和馬(大阪歴史博物館 学芸員)
【会 場】 大阪歴史博物館 8階 特集展示室
【参加費】 無料(ただし、入場には常設展示観覧券が必要です)
【参加方法】 当日直接会場へお越し下さい。(※事前申込不要)

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