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初代中村鴈治郎関係資料

(2026.3.7更新)
 初代中村鴈治郎(1860-1935)は、大阪に住み、大阪の人たちに愛され続けた近代上方歌舞伎を代表する名優。万延元年(1860)、三代目中村翫雀かんじゃくの子として大阪に生まれ、父母の破婚により幼少期には苦労を重ねたが、初代實川延若の門弟となり、實川鴈二郎の名で明治8年(1875)に道頓堀・筑後芝居で初舞台。明治11年(1878)に父との対面を果たし、中村鴈治郎と改名してからは頭角を現し、歌舞伎俳優として出世の道を進んだ。和事の名手で風姿にすぐれ、絶大な人気を博した。大阪歴史博物館の関係資料群は、初代鴈治郎の贔屓であった鶴屋八幡の今中富之助氏の厖大なコレクションを核に、継続的に収集したもので、初代鴈治郎自身とその周辺、没後から後の時代にわたり、衣装、小道具、役者絵版画、肉筆絵画、番付、写真、レコード、映画等々、様々な資料が含まれる。(澤井浩一)
河庄(かわしょう)の図 山口草平筆

河庄の図 山口草平筆

本館蔵 今中富之助氏寄贈

「河庄」(「心中天網島」の改作)の紙屋治兵衛に扮する初代中村鴈治郎を描く。魂ぬけてとぼとぼと登場する河庄の紙治は一番の当たり芸で、岸本水府の川柳に「頬かむりの中に日本一の顔」と詠まれるほどであった。山口草平(1882~1961)は大阪の画家で、初世鴈治郎が没した昭和10年(1935)には死絵も描いて出版された。
鬘(かずら)

かずら

明治39年(1906)頃 本館蔵 今中富之助氏寄贈

明治39年頃に初代中村鴈治郎が「恋飛脚大和往来」の亀屋忠兵衛役に用いた鬘で、残存する初代鴈治郎の鬘としては唯一のものとされる。初代鴈治郎の娘で俳優の中村芳子(1920~1987)の所蔵品であったが、昭和11年(1936)に今中富之助氏に譲渡された。
はむれっと衣裳

はむれっと衣裳

明治41年(1901) 本館蔵 今中富之助氏寄贈

小説家、山岸荷葉らによる歌舞伎の時代物への翻案劇「はむれっと」を初代中村鴈治郎が演じた際に着用した衣裳。明治41年(1901)3月に道頓堀・中座において上演され、葉村年麿(ハムレット)を鴈治郎が、折江姫(オフィリア)を四代目中村福助(高砂屋)が演じた。
映画フィルム「鳰の浮巣(におのうきす)」

映画フィルム「にお浮巣うきす

明治33年(1900) 土屋常二撮影 本館蔵 今中富之助氏寄贈

明治33年7月、アメリカから撮影機を持ち帰った土屋常二が、名古屋・御園座で公演中の初代中村鴈治郎一座に依頼し、近くの寺の境内で撮影した約1分30秒の35ミリ映画フィルムで、日本映画の黎明期を物語る作品のひとつ。フィルムには京都島原の鳰照太夫の道中に出会った紙屑屋幸次郎(初代鴈治郎)が太夫を見初める場面が収められている。本品は上映用プリント。
化粧前

化粧前

明治9年(1876) 本館蔵 四代目坂田藤十郎氏寄贈

中村鴈治郎家に伝えられた楽屋で使用する鏡台。朱漆塗にイ菱紋などの役者の紋を散りばめた華やかな意匠である。明治9年(1876)の箱書や「寒雀に翫の字紋」があることから、初代鴈治郎が父・三代目中村翫雀から受け継いだものと考えられる。