(2021.7.16更新)
第138回 特集展示
大阪の太子信仰
―旭区太子橋の太子講資料―
◆令和3年9月1日(水)~ 10月25日(月)◆
火曜日休館
会場 |
8階 特集展示室 |
時間 |
9:30~17:00 ただし、10月8日・15日・22日の金曜日は 午後8時まで開館 ※入館は閉館30分前まで |
観覧料 |
常設展示観覧料でご覧いただけます |
主催 |
大阪歴史博物館 |
大阪歴史博物館では、令和3年(2021)9月1日(水)~10月25日(月)まで、8階特集展示室において、特集展示「大阪の太子信仰―旭区太子橋の太子講資料―」を開催します。
平成12年(2000)まで、大阪市旭区太子橋の民家で、聖徳太子を祀る太子講という行事が営まれてきました。この太子講には、かつては多くの参詣者が訪れ賑わったといいます。この地域は、江戸時代の天王寺庄村(現在の東淀川区と旭区との一部)にあたり、聖徳太子が四天王寺創建の地を求めてこの地を訪れたとする伝承が、周辺の村々とともに残されています。
本展示では、平成12年度にご寄贈いただいた、太子講で用いられた太子像や太子絵伝などの掛軸、それを祀る祭具などを通じて、この地域での太子信仰の広がりをご紹介します。
主な展示資料
展示資料数:約20点 |
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- 聖徳太子摂政像
- 江戸時代後期
大阪歴史博物館蔵
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太子橋の太子講で、本尊として厨子に祀られてきた聖徳太子像の掛軸。冠を被り、刀を佩き、両手で笏を持って座す像は、聖徳太子の摂政時代の姿とされます。多くの摂政像が褥(敷物)に座すのに対して、本品は礼盤(仏を礼拝するために上がる壇)に座す珍しい作例のひとつです。軸木の表具裏に、弘化4年(1847)正月上旬に大坂南久宝寺町の表具師が掛軸を整えた墨書があります。写真は部分。 |
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- 聖徳太子伝
- 寛文6年(1666)
大阪歴史博物館蔵
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鎌倉時代末頃に流布した聖徳太子伝をもとに、江戸時代前期に版行された版本。10巻10冊から成り、巻一の太子誕生から巻十の太子入滅と葬送までの伝記や伝説を挿絵入りで掲載し、巻末に聖徳太子の系譜も収録しています。写真は巻六から、飛行する甲斐の黒駒に乗った太子が富士山に登る場面。
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- 聖徳太子絵伝
- 明治6年(1873)
大阪歴史博物館蔵
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寛文6年(1666)版の「聖徳太子伝」の版本をもとに描かれたと考えられる聖徳太子絵伝の四幅の掛軸。太子橋の太子講で開帳され、東淀川区の寺院から僧侶を招いて、絵解きも行われました。裏には寄進者の法名とともに、荒生村(旭区・都島区)、淡路庄(東淀川区)、伝法村(此花区)、片江村(生野区)などの地名が記され、信仰圏の広がりを示しています。 写真は、第2幅の冒頭部分で、物部守屋らによる堂塔や仏像の破壊から、太子の父である用明天皇が崩御するまでの場面。 |