1. ホーム
  2. 展示・イベント
  3. 特集展示
  4. 特集展示「新発見!なにわの考古学2024」

(2024.9.6更新)
「新発見!なにわの考古学2024」
 
会 期 令和6年9月4日(水)~10月28日(月)
※火曜日休館
会 場 8階 特集展示室
時 間 9:30~17:00
※入館は閉館30分前まで
観覧料 常設展示観覧料でご覧いただけます
主 催 大阪歴史博物館、一般財団法人 大阪市文化財協会

大阪歴史博物館では、令和6年(2024)9月4日(水)から10月28日(月)まで、8階特集展示室において、特集展示「新発見!なにわの考古学2024」を開催します。

令和5年度(2023年度)を中心に一般財団法人 大阪市文化財協会・大阪市教育委員会が実施した大阪市内の遺跡発掘調査の中から、主な調査成果を出土遺物や写真パネルで紹介します。

大阪市内には数多くの遺跡が埋もれており、毎年各所で発掘調査が行われています。本展覧会では、水田畦畔けいはんに埋められていた6世紀の大足おおあし(農具:平野区亀井北遺跡)、大坂夏の陣にかかわる鉄砲玉と鉛インゴット(中央区大坂城跡)、近世大坂の経済を支えた蔵屋敷の出土資料(北区中之島蔵屋敷跡)など、最新の成果を展示します。発掘成果を通して、都市大阪が長い歴史を基盤として成り立っていることを感じていただければ幸いです。

※なお、本展覧会は、地方独立行政法人 大阪市博物館機構と一般財団法人 大阪市文化財協会の包括連携協定に基づいて共催する事業です。


解説リーフレット

解説リーフレット(PDF)はこちらよりダウンロードできます。

解説リーフレット
【950KB】
PDF

主な展示資料

展示資料数:約400点
大足
大足おおあし(写真は発見された時の状態)
古墳時代後期(6世紀) 亀井北遺跡(平野区)
大阪市教育委員会蔵
大足とは、梯子はしご形に組んだ台の上に踏み板を載せた構造で、水を張ってぬかるんだ水田の上で土をならしたり、肥料を踏み込んで土と混ぜ合わせたりするために使われたと考えられています。梯子形の台は縦が80㎝以上、横幅が50㎝で、両側の縦枠にほぞ穴を穿ち、16本の横桟よこざんを組み込み、中央寄りの2本には浅く彫り込まれ足板を固定できるように工夫されています。これほど構造がよくわかる事例は近畿地方ではほとんどありません。なお、この大足は古墳時代後期(6世紀)の水田畦畔けいはんの下に埋められていて、その上に須恵器のふたが載った状態で発見されました。
※この写真は一旦取り上げた須恵器蓋を復元して、再撮影したものです。
奈良時代の土器と瓦
奈良時代の土器と瓦
奈良時代(8世紀) 大坂城下町跡下層(中央区)
大阪市教育委員会蔵
発掘調査地は御堂筋の西側で、北御堂(本願寺津村別院)の南隣に位置します。江戸時代の大坂城下町の生活面よりも下にある古い地層から奈良時代の土器や瓦が多量に出土しました。この場所は奈良時代の大阪湾に面した海岸線近くに当たります。古代の大阪には難波津と呼ばれる外交や交易の窓口ともいえる港があったとされています。港に関わる重要な施設や集落があった可能性があります。
>常滑焼鉢と瓦質土器甕
常滑とこなめ焼鉢やきはち瓦質がしつ土器どきかめ
鎌倉時代(13世紀) 上本町遺跡(天王寺区)
大阪市教育委員会蔵
大阪を代表する古代寺院四天王寺は、中世になると周囲に門前町が形成され、にぎわいを見せます。その四天王寺の北方100mほどの発掘調査で発見された鎌倉時代(13世紀)の井戸の底から、ほぼ完全な形の土器が出土しました。左は愛知県常滑市一帯(知多半島)で生産された常滑焼の片口鉢で、食材をすりつぶして注ぐための調理具です。右は産地不明の瓦質土器甕で、胴部に意図的に孔があけられています。これらは井戸の底で重ねて置かれたような状態で発見されたことから、井戸鎮めなどの祭祀に用いられた可能性があります。
鉛製鉄砲玉と鉛インゴット
鉛製鉄砲玉と鉛インゴット
豊臣後期(17世紀初頭) 大坂城跡(中央区)
大阪市教育委員会蔵
大坂城本丸中ノ段(豊臣石垣の公開プロジェクト施設用地内)の調査では、鉛製鉄砲玉2点と鉛インゴットが見つかりました。大坂夏の陣の焼土から出土した鉄砲玉は三匁玉さんもんめだまで、鋳型の継ぎ目が明瞭で変形もないことから戦いで使われずに終わったものとみられます。地金を精製して運搬や溶解に適した大きさの塊にした鉛インゴットは、この戦で焼け落ちた建物の内部から出てきました。溶かして鉄砲玉を作るための素材として豊臣方が建物内に持ち込んだものでしょう。これらは大坂夏の陣にかかわって大量に準備された軍需物資の一部と考えられます。
徳島藩蜂須賀はちすか氏の家紋瓦
徳島藩蜂須賀はちすか氏の家紋瓦
江戸時代(18世紀後葉) 中之島蔵屋敷跡(北区)
大阪市教育委員会蔵
江戸時代の中之島界隈には全国の大名が年貢米や領内の特産物を売るために設置した蔵屋敷が建ち並んでいました。その蔵屋敷のひとつである徳島藩蔵屋敷では、徳島藩主蜂須賀氏の定紋である、卍文の家紋瓦(丸瓦と鬼瓦)が出土しました。卍文の家紋瓦は、徳島においては徳島城だけでなく、蜂須賀家の屋敷跡やゆかりの深い寺院などにあり、蜂須賀氏のシンボルとして多用されたようです。出土した家紋瓦は、地元で生産したものを船で運びこんで、蔵屋敷の象徴となるような建物に葺いたものと考えられます。

関連行事

「大阪の歴史を掘る2024」講演会
【日 時】 令和6年9月21日(土)
午後1時30分~4時30分(午後1時より受付開始)
【会 場】 大阪歴史博物館 4階 講堂
【題 目】 「大阪市内の発掘調査成果―令和5年度を中心に―」
   南 秀雄(一般財団法人大阪市文化財協会 学芸員)

「近世大坂蔵屋敷の果たした経済的役割について」
   高槻 泰郎 氏(神戸大学経済経営研究所 准教授)

※詳細は当館ホームページ「大阪の歴史を掘る2024」講演会ページをご覧ください。
【参加費】

インターネットによる事前申込:1,000円
(カラー印刷の資料代を含む)

【募集人員】 200名
【参加方法】 インターネットでお申し込みください。事前申込制(先着順)

《申込期限》9月20日(金)午後11時59分

お申し込みはこちら
展示解説
【日 時】 ①令和6年9月7日(土)、②9月28日(土)、③10月26日(土)
いずれも午後2時から30分程度
【担 当】 寺井 誠(大阪歴史博物館 学芸員)
【会 場】 大阪歴史博物館 8階 特集展示室
【参加費】 無料(ただし、入場には常設展示観覧券が必要です)
【参加方法】 当日直接会場へお越し下さい。(※事前申込不要)


プレスリリースはこちら