大阪の伝統工芸 切子 -片岡利英の仕事-
(H26.6.27更新)
平成16年8月18日(水)~11月1日(月)(予定)


Cut-glass vase
1口 片岡利英作 本館蔵(片岡利英氏寄贈)
ガラス生地に藍色ガラスを重ねてコーティングした素地に切子をほどこしたもので、戦前の作品。

Cut-glass vase
1点 片岡利英作 本館蔵(片岡利英氏寄贈)

Cut-glass bowl
1点 片岡利英作 本館蔵(片岡利英氏寄贈)

Cut-glass bowl
1点 片岡利英作 本館蔵(片岡利英氏寄贈)
片岡利英氏(1909~2002)は、大阪市東淀川区柴島で切子製作を業とした職人である。14歳で師匠に弟子入りし、20歳で独立。食器類を中心に製作した。「薩摩切子」の技法を駆使したこれらの作品群は、自らの技術を高めるために製作したもの。手堅い仕事ぶりである。
切子 Cut-glass
切子とは、ガラスの表面を研磨剤と水をつけながら回転円盤(グラインダー)によって彫り込み、文様をあらわしたもの。具象的な模様を彫り込むグラヴュールとは異なり、幾何学的な文様構成が特徴。円盤は断面の形やサイズがさまざまあり(V字、U字、水平)、その選択によってカットのパターンが左右される。ローマ時代からひろく行われ、近世には17世紀のイギリスでこの技法に適した鉛クリスタルグラスが開発されて、特にさかんになっていった。現在の伝統的なカット・グラスの製作手順としては、デザインにあたりをつけたガラスに鉄製、石製の回転円盤を使って金剛砂の粒子を細かくしていきながら粗磨り、石掛けを行う。そして最後に桐や柳でできた木製の円盤に房州砂のような磨き粉をつけて研磨し、ときにはフェルトの同転車(バフ)や毛ブラシ盤でつや出して仕上げをおこなうというもの。鉄・石製円盤のかわりにダイヤモンド・ホイールを利用したり、最終の研磨工程をフッ化水素酸と硫酸の混合液に浸す酸磨きとすることも多い。フロア / 7階 | コーナー / 文化―美術・工芸の諸相 |
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