第1回普通選挙のチラシ
平成23年8月31日(水)~ 9月26日(月)(予定)

昭和3年(1928) 個人蔵

昭和3年(1928) 個人蔵

昭和3年(1928) 個人蔵
選挙といえば、街頭演説やポスター、政見放送などを思いつきますが、歴史を振り返ると最初からこれらのものが選挙にあったかというとそうではありません。たとえば、ポスターやチラシは、日本初の普通選挙(男子のみ)が実施された第16回総選挙(昭和3年)をきっかけに普及したものです。制限選挙のもと、それまでわずか300万人ほどしかいなかった投票者が、普選実施によって一挙に約1300万人と激増しました。これに対応する新たな選挙戦術として考え出されたのが、ポスターなどの印刷物を大量に設置・配布するという方法だったのです。しかも当時の法律では、印刷物の大きさ(縦約1m×横約60cm)や色合い(2色まで)などには規制がありましたが、印刷物の設置場所には事実上制限がありませんでした。街中いたるところに選挙ポスターが貼られている、これが第1回普戦の選挙風景だったのです。
今回紹介するのは、第1回普選で配布された選挙チラシ(B5サイズ大)です。大阪一区の候補者のものです。日本で選挙ポスター類を系統的に所蔵している機関としては、法政大学大原社会問題研究所があります(ポスター類は、研究所ホームページの「大原デジタルミュージアム・戦前ポスターデータベース」で検索できます。収集の経緯については、二村一夫著作集の「後藤貞治のこと」をご覧ください。二村氏は同研究所の名誉研究員です)。今回紹介するチラシには、研究所でも所蔵されていないものが含まれています。その意味でも大変貴重な資料です。チラシをみながら、誰が当選したのかを予想するのもおもしろいかもしれません。どうぞ、ご覧ください。(飯田直樹)
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