
ユーラシア大陸の東側に浮かぶ日本列島。海によって大陸とは隔たっているものの、朝鮮半島や中国との交流は盛んであったことは、文献史料・考古資料を見ても明らかです。
本講座では、急速に交流が密になる紀元前後~7世紀、つまり日本の弥生・古墳時代に相当する時期の日本列島と中国・朝鮮半島の歴史や遺跡について基本的な事項を中心に取り上げながら、日本の弥生・古墳文化の背景について解説します。講座を通じて、東アジアの歴史・文化についての理解を深め、さらに隣国に対して親しみをもっていただけたらと思います。
講座の内容
第1回:2月18日(水) 講師:村元健一
「漢の辺境支配-武帝期を中心に-」

短命に終わった秦のあとに成立した漢は、秦の歴史を批判的に継承しつつ、着実に統治体制の整備を進めました。建国から60年以上を経て、安定した王朝の基盤と豊かな財政をもとに、武帝は大規模な版図拡大を行います。今回はその中で武帝期の東方経営に注目し、漢の辺境支配の実態とその後世への影響を見ていきます。
第2回:2月25日(水) 講師:寺井誠
「楽浪郡と東夷社会」

紀元前108年に前漢の武帝によって、朝鮮半島北部の支配の拠点となる楽浪郡が設置されました。この出来事に東夷(中国の文献に登場する朝鮮半島南部<三韓>及び日本列島<倭>の総称)は大きな刺激を受け、その後急速に国家形成への道を歩みます。
第2回では、楽浪郡についての歴史・遺跡の基本的な事項をおさえたうえで、東夷社会に与えた影響について話します
第3回:3月11日(水) 講師:寺井誠
「加耶・百済と倭」

加耶は朝鮮半島南部に存在した国家群で、金官国(金官加耶)・大加耶など複数の国に分立していました。金官国の王墓である大成洞古墳群では、4世紀頃の倭と共通する副葬品が多数出土しています。また、百済は朝鮮半島南西部の国で、仏教伝来などで倭と親密な関係にあったことはよく知られています。
第3回では、加耶・百済についての歴史・遺跡の基本的な事項をおさえたうえで、倭との関係について話します。
第4回:3月18日(水) 講師:寺井誠
「高句麗・新羅と倭」

高句麗は朝鮮半島から中国東北部に勢力を持った国家で、大国である隋や唐の攻撃を何度も退けた強国でもあります。新羅は朝鮮半島南東部で興り、のちには朝鮮半島を統一する国家で、古墳から出土するあざやかな黄金製品が有名です。
第4回では、高句麗・新羅についての歴史・遺跡の基本的な事項をおさえたうえで、特に新羅との関係のある考古資料を取り上げながら、新羅と倭との関係について話します。
連続講座 弥生・古墳時代の日本列島と東アジア | |
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日 時 | 平成27年2月18日、25日、3月11日、18日 いずれも水曜日、午後2時~4時 |
会 場 | 大阪歴史博物館 4階 講堂 交通のご案内 |
講 師 | 当館学芸員 寺井誠・村元健一 |
参 加 費 | 2,000円 (4回通し、初回受納) ※参加されない回があっても返金できませんので、あらかじめご了承ください。 |
定 員 | 250名(事前申込制、応募者多数の場合は抽選) |
応募条件 | 4回通しで参加できる方 |
申込方法 | 往復はがきに、郵便番号・住所・氏名・連絡先電話番号、返信用はがきの宛先を必ず書いて、お申し込みください(はがき1枚につき1名の申し込みに限ります)。
※参加申し込みをされた方の個人情報は、この事業に関する連絡のみに使用します。また、本人の同意なしに個人情報を第三者に開示・提供することはありません。 |
問い合わせ | 大阪歴史博物館 「日本列島と東アジア」係 (電話)06-6946-5728 |