
(H28.6.1更新)
大阪歴史博物館では、平成28年7月27日(水)から8月29日(月)まで、9階常設展示室において、重要文化財指定の「間重富関係資料」の速報展示を開催します。
本館および大阪市立中央図書館が所蔵する「間重富関係資料」(約740点、江戸時代後期)を重要文化財に指定することについて、文部科学大臣へ答申がありました。この結果、近日中に行われる官報告示を経て、正式に指定がなされる予定です。
これら間重富関係資料は、江戸幕府の改暦事業に従事した大坂の町人天文学者・間重富に関わる天文観測関係資料です。間重富は、西洋天文学の理論で測量結果を検証することにより、当時の天文暦学の発展に多大な貢献をしました。本資料群は、天体の測量記録を中心に、著述稿本をはじめとする文書、典籍、観測機器、地図・絵図等で構成され、わが国の天文暦学研究上、学術的価値の高い資料群です。
そこで本展示では、重要文化財への指定の答申があった間重富関係資料(館蔵分)から主立った資料を展示し、間家が天文暦学史上に果たした役割について紹介します。
主な展示資料
間重富が暦学御用で江戸に呼ばれる前のいわゆるアマチュア時代に観測した、寛政5年(1793)7月15日の月食の観測記録である。現存する間重富の観測記録としては一番古い。間重富は観測機器の製作にも長けており、この観測も自ら作成した測食定分儀(簡儀)を用いて観測している。この機器は、間重富の師である麻田剛立(あさだごうりゅう)や、同門で後に一緒に改暦に従事する高橋至時(たかはしよしとき)も採用していると記録されている。
ロシア帝国の新都であるサンクトペテルブルグの1780年頃の平面図。緑・黄・朱・青・白で彩色している。ロシアへの漂流民大黒屋光太夫(だいこくやこうだゆう)から聞き取り調査をした桂川甫周(かつらがわほしゅう)が、『北槎聞略(ほくさぶんりゃく)』に付して幕府に献上した図と同系統のものであろう。19世紀初め頃に間重富が写した図と考えられ、ロシア語とフランス語を併記するなど、「間重富関係資料」の豊かな国際色を感じさせる一品である。
重要文化財指定記念「間重富関係資料」の速報展示 | |||||
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主 催 | 大阪歴史博物館 | ||||
会 期 | 平成28年7月27日(水)~8月29日(月) | ||||
休 館 日 | 火曜日休館 | ||||
開館時間 | 午前9時30分から午後5時まで (ただし、入館は閉館の30分前まで) |
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会 場 | 大阪歴史博物館 9階 常設展示室 交通のご案内 | ||||
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観 覧 料 |
常設展示観覧料でご覧いただけます。
※( )内は20名以上の団体割引料金 ※中学生以下、大阪市内在住の満65歳以上の方(要証明証提示)、障がい者手帳等をお持ちの方(介護者1名を含む)は無料 |
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展示資料数 | 約10点 |