
今回の連続講座は、平成29年4月26日から6月12日まで開催予定の特別展『渡来人いずこより』に先立ち、渡来人のふるさとである朝鮮半島の自然環境や歴史・遺跡について話し、展示の魅力を紹介します。
「朝鮮半島の渡来人」と一括りにされがちですが、三国時代には高句麗・百済・新羅・加耶という、別個の国がありました。講座を通じて、朝鮮半島の多様な歴史・文化に対する理解を深め、さらに親しみをもつきっかけになれば幸いです。この機会にぜひご参加ください。
講座の内容
第1回:1月9日(月) 講師:寺井誠
「朝鮮半島の自然環境」

(蔚山広域市蔚州郡)
ユーラシア大陸から東側に突き出た朝鮮半島。日本と似た自然環境があるものの、異なる点もたくさんあります。例えば、動物相。かつて朝鮮半島の山々には虎がのし歩いていましたが、日本にはいません。その一方で、日本では当たり前のようにいる猿が朝鮮半島では生息していません。こういった動物相の違いのほか、地形の違いなどを交えて、話を進めます。
第2回:1月16日(月) 講師:寺井誠
「華やかな仏教文化

百済は、朝鮮半島の南西部にあった国。高句麗との激しい対立を通じて、都を漢城(今のソウル特別市)から熊津(忠清南道公州市)にうつし、さらに泗沘(同扶餘郡)に遷都します。泗沘では仏教文化が花開き、数多くの寺院が建立され、日本の飛鳥文化にも多大な影響を与えました。そんな百済について、歴史の流れを追いながら、いっしょに散策してみましょう。
第3回:1月23日(月) 講師:寺井誠
「鉄の王国

加耶は半島南東部の洛東江流域に勢力をもった複数の国の総称です。金官国(金官加耶)、大加耶などに分かれ、それぞれりっぱな王墓群を造りました。また、加耶は鉄資源を豊富に産出し、発展しました。まさに「鉄の王国」で、古墳時代の日本の鉄も加耶から得られた可能性が高いといわれています。そんな加耶との交流の足跡を追ってみましょう。
第4回:1月30日(月) 講師:寺井誠
「黄金の王国

新羅はもともと朝鮮半島南東部にあった小国でしたが、今の慶州市(慶尚北道)を都として発展し、やがては朝鮮半島を統一します。新羅の王墓には金の冠や耳飾など眩い金製品がたくさんおさめられており、まさに「黄金の王国」といえます。そんな新羅ですが、『日本書紀』を見ているとどうも日本とは仲が悪かったようです。考古学で明らかになった成果を通じて、新羅との関係を見直してみましょう。
連続講座 渡来人いずこより~渡来人のふるさとをたずねて~ | |
---|---|
日 時 | 平成29年1月9日、16日、23日、30日 いずれも月曜日、午後2時~4時 |
会 場 | 大阪歴史博物館 4階 講堂 交通のご案内 |
講 師 | 当館学芸員 寺井誠 |
参 加 費 | 2,000円 (4回通し、初回受納) ※参加されない回があっても返金できませんので、あらかじめご了承ください。 |
定 員 | 250名(事前申込制、応募者多数の場合は抽選) |
応募条件 | 4回通しで参加できる方 |
申込方法 | 往復はがきに、郵便番号・住所・氏名・連絡先電話番号、返信用はがきの宛先を必ず書いて、お申し込みください(はがき1枚につき1名の申し込みに限ります)。
※全4回一括での申し込みとなります。特定の日のみの申し込みはできません。 |
問い合わせ | 大阪歴史博物館 「連続講座 渡来人」係 (電話)06-6946-5728 (ファクシミリ)06-6946-2662 |