第125回 特集展示
「漣」を生んだ風景
―近代水都大阪を描く―
◆令和元年7月10日(水)~ 8月19日(月)◆
火曜日休館(ただし、8月13日(火)は開館)
会場 | 8階 特集展示室 | 時間 | 9:30~17:00 ただし、8月2日・9日・16日 (いずれも金曜日)は午後8時まで開館 ※入館は閉館30分前まで |
観覧料 | 常設展示観覧料でご覧いただけます |
主催 | 大阪歴史博物館、大阪中之島美術館準備室 |
大阪歴史博物館では、令和元年7月10日(水)から8月19日(月)まで、8階特集展示室において、特集展示「「漣」を生んだ風景―近代水都大阪を描く―」を開催します。
本年は淀川改良工事が竣工し、新淀川が誕生してから110年目にあたります。大阪歴史博物館ではこれまでに新淀川の誕生100年を記念する特別展「新淀川100年 水都大阪と淀川」を開催し、淀川が果たした歴史的役割を明らかにしてきました。
一方近年、大阪が「水の都」であったことが見直され、水都大阪コンソーシアムによる「水都大阪」事業が活発に行われるなかで、淀川は人々に安らぎを与える空間・景観として注目度を高めています。そして2021年度には中之島に新しい美術館が開館を予定しており、水辺は文化空間としてもその魅力が期待されているところです。
本展示では、地方独立行政法人大阪市博物館機構誕生を機に、大阪歴史博物館と大阪中之島美術館準備室が所蔵する絵画作品を通して近代大阪の人々が見つめてきた水辺の景観を振り返り、これからの大阪における水辺空間の意味合いを考えてみたいと思います。
主な展示資料
展示資料数:約32点 | |
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福田平八郎は大分出身で、京都で活躍した日本画家。本作品は銀地の水面に群青のみできらめく漣を表現する大胆な作品。高い抽象性を持ち合わせながら水面の揺らぎを見事にあらわしています。平成28年(2016)の重要文化財指定後、大阪では今回が初披露となります。 |
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明治3年(1870)、大阪最初の鉄橋として架橋されたのがこの高麗橋(こうらいばし)です。新しい時代の到来を象徴する鉄橋の姿は美麗であり、難波みやげとして吹聴されたといいます。その一方で左下の櫓屋敷(やぐらやしき)は近世以来高麗橋周辺を描く際に欠かせないモチーフであり、トータルで時代の移り変わりを感じさせます。 |
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大正2年(1913)に架橋された東横堀川の本町橋(ほんまちばし)を描いています。田川勤次(1909~2004)は大阪生まれで、赤松麟作の洋画研究所に学んだ洋画家。この本町橋は現存しており、現役の橋としては大阪市内最古。頭上に高速道路が通らない、かつての開放的で穏やかな水辺空間が描かれています。 |
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水彩で近代大阪の28場面を描いた画帖。水辺の風景が多く、大阪の景観が水と切り離せないものだったことを印象づけています。おおむね昭和9年(1934)から同12年にかけての制作とみられます。作者は不詳ですが独自の構図による写実的な描写は大阪の水辺空間が多様でかつ日常的な存在だったことを伝えてくれます。画像は中之島の場面と、長堀・心斎橋の場面。 |
関連行事
学芸員による展示解説 | |
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【日 時】 | 令和元年7月20日(土)、8月10日(土) いずれも、午後2時より30分程度 |
【会 場】 | 大阪歴史博物館 8階 特集展示室 |
【講 師】 | 大澤 研一(当館 学芸員) |
【参加費】 | 無料(ただし、入場には常設展示観覧券が必要です) |
【参加方法】 | 当日直接会場へお越し下さい |
※イベントの内容は都合により変更される場合があります。ご了承ください。