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おおさか街あるき―キタ・ミナミ―
(2024.2.21更新)
展示資料

阪急百貨店旧大阪うめだ本店の外装タイル

昭和4年(1929)・昭和7年(1932)
大阪歴史博物館蔵

阪急百貨店旧大阪うめだ本店の外装タイル 阪急百貨店旧大阪うめだ本店

阪急百貨店は日本で最初のターミナルデパートとして、昭和4年(1929)に創業しました。竣工当時の外壁は表面に若干の凹凸がある濃茶褐色のタイルで覆われていましたが、9期にわたる増築がなされ、第3期(1932)の改装工事以降は平滑なクリーム色となります。 都市開発の著しい駅前で、創業以来の場所で営業する大阪駅前を代表する建物のひとつといえます。


大阪市指定文化財

佐賀藩蔵屋敷絵図

元禄5年(1692)
日本生命保険相互会社蔵

佐賀藩蔵屋敷絵図

蔵屋敷は、年貢米や領内の特産物を販売するために設けられたものです。佐賀藩(鍋島家)蔵屋敷は江戸時代初頭から堂島川北岸にあり、南側の浜は「鍋島浜」と呼ばれました。敷地約4200坪に及ぶ最大規模の蔵屋敷のひとつです。敷地内には船入ふないりが設けられ、南側に水色で彩色された米蔵が並びます。米の入札と米切手発行を行う会所も併設します。現在は大阪高等裁判所の敷地内にあり、船入の一区画は平成2年(1990)に発掘調査が行われました。堂島川にかかる水晶橋を北に渡ってすぐの場所です。


浪華の花櫓はなやぐら

江戸時代
大阪歴史博物館蔵

浪華の花櫓

戎橋えびすばしと太左衛門橋の間の道頓堀南岸を描く江戸時代の一枚刷りです。中の芝居の裏には法善寺が、角の芝居の遠景には高津宮(高津神社)がみえます。芝居茶屋の店名まで詳細に記しているのが特徴です。現在では「とんぼりリバーウォーク」になっていますが、川べりの地面が低いのは、傾斜を活かし、階段状の雁木がんぎを設けるなどして船をつけ、出入りをしていた名残です。


大阪市指定文化財

安井家由緒書

寛文10年(1670)
大阪歴史博物館蔵

安井家由緒書

道頓堀開削に携わり、江戸時代に南組惣年寄を務めた安井家の由緒書です。道頓堀を開発し、川沿いを支配している由緒を町奉行所に報告したものです。昭和45年(1970)開催の大阪万博を前に、大阪市による河川敷の改修工事が行われますが、これに対し昭和40年に安井家の子孫が道頓堀河川敷の所有権確認を求め提訴します。この由緒書は、その「道頓堀裁判」の証拠資料として提出されたことで広く知られるようになりました。下部の付箋はその際に付されたものです。上大和橋から川沿いを西に歩くことで、係争の跡地を感じることができます。


道頓堀中座なかざの壁片

昭和22年(1947)
大阪歴史博物館蔵

道頓堀中座の壁片 道頓堀中座

中座は、承応元年(1652)に塩屋九郎右衛門が開いた芝居小屋「中の芝居」を受け継ぐ由緒のある劇場で、初世中村鴈治郎なかむらがんじろうらが活躍して栄えました。戦時中の空襲で焼失しましたが、戦後すぐに再建されます。これまで何度も建物を失った経験から鉄骨鉄筋コンクリートによる耐火構造となり、戦後の道頓堀の新たな名所となりましたが、平成11年(1999)に閉館・解体されました。この壁片は、伝統的な劇場建築の近代化を象徴する一部といえます。現在、跡地に立つ中座くいだおれビルには、芝居の評判が上がるとされる「道頓堀たぬき」が祀られています。

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