
韓国 新安沈没船引き揚げ陶磁器等一括
14世紀 韓国 国立光州博物館蔵
1323年、中国の寧波から日本の博多を目指して航海していた中国船が韓国西南部の新安沖で沈没した。1976年に海中で発見されたこの船からは中国陶磁器2万点をはじめ、東南アジア産の胡椒などの香辛料、中国銭28トンなど多彩な交易品が引き揚げられた。当時の東アジアの交易の実態を物語る一級の資料群である。

国宝 宋版後漢書
12~13世紀 国立歴史民俗博物館蔵
中国の後漢の歴史をまとめたもので、中国で刊行されたが日本でも必読書として重んじられた。この宋版は中国の南宋時代に出版されたもので、中世には日本に渡来しており、僧侶や武将の手を経たのち上杉家に伝来した。書き込みなども多く、日本人が中国の書籍で研鑽を積んだ様子がうかがえる。

重要文化財 大内氏勘合貿易関係資料
15~16世紀 毛利博物館蔵
山口を本拠とする守護大名の大内氏は自らを百済王の後裔と主張しながら、日朝の橋渡し役を担った。また中国の明との勘合貿易にも積極的に乗り出したことから、「朝鮮国通信符」・「日本国王之印」など日朝・日明交渉に関わる重要資料を所持していた。これらは中世の外交交渉の実態を伝える貴重な遺品である。
◆「朝鮮国通信符」の展示期間:
7/6(水)~8/1(月)
「日本国王之印」(写真なし)の展示期間:
8/10(水)~9/5(月)

重要美術品 南蛮人来朝図屏風
(写真は左隻の一部)
17世紀 国立歴史民俗博物館蔵
南蛮人来朝図屏風は近世初期に流行した風俗画のひとつで、国内で70点ほどが知られている。左隻には日本の港に停泊する2隻の南蛮船から積み荷が降ろされる様子(写真)、右隻は南蛮寺にむかって隊列を組んで歩く南蛮人一行が描かれている。16世紀になって訪れ始めた西洋人に日本人が大きな関心の目を向けていたことがわかる資料である。
◆右隻の展示期間:7/6(水)~7/18(月)
左隻の展示期間:8/24(水)~9/5(月)