
17世紀
東京・三井文庫蔵


参詣曼荼羅とは、中世以降、社寺の縁起などの絵解きに用いられたもので、本図も布教に用いられたものと思われます。
本図は内宮・外宮を左右の2幅に分けて描いたもので、伊勢神宮への参詣で必ず訪れる宇治橋や五十鈴川といった名所や、人々の賑わいの空間を生き生きと描き込んでいます。
本展覧会では4点の伊勢参詣曼荼羅を展示しますが、そのうち本作品を含む3点は、当館では22年ぶりの公開、海外から里帰りするパワーズコレクション本は当館では初の実物公開となります。
古神宝類のうち
明徳元年(1390年)
和歌山・熊野速玉大社蔵



熊野速玉大社に伝わる古神宝類は、文献史料により調進年代や納められた宮が分かる点など、現存する古神宝類の中でも特筆すべき品々です。特に手箱は、熊野速玉大社の十二社及び摂社一社へ奉献された記録と、現存する十三合の手箱の図柄等が一致する点が貴重で、この作品は十二社のうちの聖宮に納められたことがわかっています。

8世紀
福岡・宗像大社蔵
福岡県

9世紀
京都・松尾大社蔵
松尾大社は京都を代表する古社のひとつです。本像は、頭と体幹部を一材から彫出し、内ぐりを施さないという平安初期の特徴を備えていることなどから、現存する神像の中でも最初期に位置づけられる作品であると考えられています。威厳に満ちたいかめしい表情は、人々を護る存在としての神に対する畏敬の念の現れともいえます。