今日の新疆ウイグル自治区では、総人口の46%がウイグル族、40%が漢族、残りを10以上の少数民族が占めています。しかし、もともとこの地域は、インド・ヨーロッパ系の言語、インド・アーリア系の言語、イラン系の言語、トハラ語A・Bなどを話す人々が主たる住民でありました。このコーナーでは、木簡(もっかん)、経典(きょうてん)、墓碑(ぼひ)や通行証といった各種の文字資料を展示し、シルクロードを行きかった様々な民族の足跡をたどります。
▲印章 銘「司禾府印」
(しかふいん)
ニヤ遺跡 後漢・1~3世紀
新疆ウイグル自治区博物館
「司禾府」とは穀物を司る役所という意味である。漢時代に設置された出先機関のひとつであろう。
ソグド語マニ教経巻
ベゼクリク石窟 唐~五代・10世紀
トゥルファン地区博物館
楽人を配した美しい装飾をもつ経巻である。マニ教は唐時代に中央アジアで流行した。
▲東ローマ金貨・ペルシャ銀貨
(きせきぞうがんきんせいゆびわ)
アスターナ 金貨5~6世紀 銀貨6~7世紀
新疆ウイグル自治区博物館
金貨は東ローマ帝国の金貨を真似て作られたもの、銀貨はササン朝ペルシャのものである。双方とも王とおぼしき人物の頭部が描かれている。東西交易の実態を示唆する重要な資料である。